建設業許可の区分には一般建設業許可と特定建設業の2つの種類があります。 名前は聞いたことあるけど具体的にどう違うのか分からない!
そのような人のために本ページでは分かりやすく一般建設業許可と特定建設業許可の違いについて説明しています。
目次
特定建設業許可の金額的要件が緩和されました
平成28年6月1日から特定建設業許可が必要になる金銭的要件が改正されました。
改正後
- 建築一式工事で6000万円以上、建築一式工事以外で4000万円以上の工事
改正前
- 建築一式工事で4500万円以上、建築一式工事以外で3000万円以上の工事
一般建設業許可と特定建設業許可の違い
一般建設業許可と特定建設業許可では元請業者として下請け業者に出せる発注額が異なります。
大規模な工事を下請業者にさせる場合に特定建設業許可が必要になります。
一般建設業許可は軽微な工事を行う場合を除き、元請・下請業者の関係なく建設業を営業するすべての業者が取得しなければならない許可です。 一般建設業許可を取得していれば、元請業者、下請け業者として請負える工事金額で制限を受けることはありません。
しかし元請として下請けに出せる金額に制限を受けます。
建築一式工事で6000万円以上、その他の工事で4000万円以上の工事を下請け業者に発注する場合は一般建設業許可ではなく、特定建設業許可を取得する必要があります。
このときの金額は一社当たりの金額ではなく、その工事一件について下請け業者に発注した金額の合計になります。ちなみに税込みの金額で判断されますので注意して下さい。
- 元請けとして下請業者に建築一式工事で6000万円その他の工事で4000万円以上を発注➡特定建設業許可が必要
- 元請けとして下請業者に建築一式工事で6000万円その他の工事で4000万円未満を発注➡一般建設業許可でOK
- 一次下請けとして再下請業者に発注➡発注額関係なく一般建設業許可でOK
再下請に出す場合は制限なし
下請け業者がさらに他の下請け業者へと再下請に出す場合は上記の制限を受けることはありません。(すでに元請が責任を負っているため)
他にも元請業者がほとんど自社で工事をし、下請けに出す金額を建築一式工事で6000万円未満、その他の工事で4000万円未満に抑えれば特定建設業許可は不要になります。
ちなみに「一般建設業許可から特定建設業許可へ」「特定建設業許可から一般建設業許可へ」と変更することは可能です。この変更を般・特新規(はんとくしんき)といいます。
業種ごとに一般建設業許可か特定建設業許可を選択
一般建設業許可を取得するのか特定建設業許可を取得するのかを業種ごとに選択します。
例えば、左官工事は一般建設業許可、内装仕上工事は特定建設業許可を取得するなどです。
しかし、同じ業種で同じ許可を取得することはできません。
先の例でいえば左官工事で一般建設業許可と特定建設業許可の両方を取得することはできません。どちらか一方を選択することになります。
特定建設業許可は発注者と下請け業者を保護するため
この特定建設業許可制度は発注者と下請け業者の保護を図るために導入された制度です。元請業者が倒産などすると連鎖的に下請け業者も倒産する可能性があり、発注者も被害を受けてしまいます。
大規模な工事の元請となる機会のある特定建設業許可業者に一般建設業許より要件を厳しくすることで発注者、下請け業者の保護を図ろうとしています。
まとめ
- 元請業者として建築一式工事で6000万円以上、その他の工事で4000万円以上の工事を下請け業者に発注する場合は特定建設業許可が必要
- 特定建設業は発注者、下請け業者保護のための制度
特定建設業許可は大規模な工事を施工する機会が多いので、一般建設業許可よりも要件を厳しくすることで発注者、下請業者を保護しようとしています。