目次
建設業29業種
建設業許可は便宜上29種類の業種(2つの一式工事と27つの専門工事)に分かれています。 建設業許可を取得するときにはどの業種の許可をとれば良いのか迷いやすいのでしっかり理解しておく必要があります。
必要な許可を取得していなければその工事を行うことができませんし(軽微な工事ならできる)、不要な許可を取得しても取得費用が無駄になってしまいますので注意が必要です。
解体工事の新設
平成28年6月1日から建設業法で定める建設業の許可業種区分に解体工事が追加されました。こちらで詳しく説明しています。➡解体工事の追加【平成28年改正】
この改正により、原則一件500万以上の解体工事を施工するためには解体工事の許可が必要になりました。500万円未満の軽微な工事を施工するためには以前同様に解体工事業の登録が必要になりますので注意して下さい。
建設業29業種の一覧
建設工事の種類 | 建設工事の内容 | 建設工事の例示 |
---|---|---|
土木一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。) | 管渠工事、トンネル工事、油送工事、道路工事、空港工事、鉄道軌道工事、区画整理工事、道路・団地等造成工事、送水・排水施設工事、護岸工事、堤防工事、樋管工事、砂防工事、海岸工事、防波堤工事、消波堤工事、離岸堤工事、ダム工事、貯水池・用水地建設工事、公道下の下水道工事、水路工事、かんがい排水工事、港湾工事、干拓工事、地水鉄工事、地下工作物工事、鉄道軌道工事、伏樋工事、橋梁工事、水源施設工事、土木工作物の解体・除去工事 |
建築一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事 | 建築確認をともなう建物の新築工事、増改築工事、建物の総合的な改修工事 |
大工工事 | 木材の加工又は取り付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取り付ける工事 | 大工工事、型枠工事、造作工事 |
左官工事 | 工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事 | 左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事 |
とび・土工・コンクリート工事 | 1、足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄筋等の組み立て等を行う工事 2、くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事 3、土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事 4、コンクリートにより工作物を築造する工事 5、その他基礎的ないし準備的な工事 | 1、とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、鉄筋組立て工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事 2、くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事 3、土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事 4、コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事 5、地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留工事、仮締切り工事、吹付け工事、道路付属物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事 |
石工事 | 石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事 | 石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事 |
屋根工事 | 瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事 | 屋根ふき工事 |
電気工事 | 発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事 | 発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事 |
管工事 | 冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事 | 冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事 |
タイル・れんが・ブロック工事 | れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事 | コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事 |
鋼構造物工事 | 形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事 | 鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事 |
鉄筋工事 | 棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事 | 鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事(ガス圧接工事) |
舗装工事 | 道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等によりほ装する工事 | アスファルトほ装工事、コンクリートほ装工事、ブロックほ装工事、路盤築造工事 |
しゅんせつ工事 | 河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事 | しゅんせつ工事 |
板金工事 | 金属薄版等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の附属物を取付ける工事 | 板金加工取付け工事、建築板金工事 |
ガラス工事 | 工作物にガラスを加工して取付ける工事 | ガラス加工取付け工事 |
塗装工事 | 塗料・塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事 | 塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事 |
防水工事 | アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事 | シーリング工事、アスファルト防水工事、注入防水工事、モルタル防水工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事 |
内装仕上工事 | 木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事 | インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事 |
機械器具設置工事 | 機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事 | プラント設備工事、運搬機械設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊戯施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事 |
熱絶縁工事 | 工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事 | 冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事 |
電気通信工事 | 有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事 | 電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV電波障害防除設備工事 |
造園工事 | 整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事 | 植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事 |
さく井工事 | さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事 | さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事 |
建具工事 | 工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事 | 金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウオール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事 |
水道施設工事 | 上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事 | 取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事 |
消防施設工事 | 火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事 | 屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事 |
清掃施設工事 | し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事 | ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事 |
解体工事 | 工作物の解体を行う工事 | 工作物解体工事 |
一緒に取得したい許可業種
建設工事は1つの業種のみで完成できる場合は稀であり、いくつかの業種があわさって完成される場合が多くあります。 したがって関連する業種の許可を合わせて取得したほうが事業の拡大につながります。
業種を決めるときに注意すべきこと
一般的に自社が営業しようとする業種の許可を取得しますが、会社の経営が安定していくにつれて関連する工事や顧客から依頼される工事が自然と増えてきます。
法定の金額以上の工事を施工するためには許可を取得していなければなりませんので、仮に工事の依頼があった場合でも受任することはできず、同業他社を紹介するしかありません。 このようにせっかくのビジネスチャンスをみすみす逃すことにならないようにしなくてはなりません。
しかし、あれもこれも許可を取得すれば良いという問題ではありませんし、自社の専門を超えてまで取得する必要もありません。 だからといって許可を取得して1年もしないうちに追加業種の申請をしたり、取得した業種に密接な業種を取得していないといったことはなるべく防ぎたいところです。
業種選択のポイント
- 現在、許可を受けている業種以外に許可の不要な軽微な工事をしている場合は、その業種。
例えば、建築工事業を許可取得している業者が軽微な塗装工事を行っている場合は塗装工事の許可もあわせて取得する。
- 付帯工事として、関連受注および自社施工している場合は、その業種。
例えば、左官工事業を許可取得している業者が付帯して防水工事業を行っている場合は防水工事業もあわせて取得する。
- 自社の取り巻く環境を分析して検討した業種、要件を満たしているか。
例えば、今後需要が増加しそうな業種、経営業務の管理責任者と専任技術者がいるか
現在取得している業種と相性がよい業種例
現在取得している業種 | 関連する業種 |
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土木工事業 | とび・土工工事業 塗装工事業 しゅんせつ工事業 水道施設工事業 |
建築工事業 | とび・土工工事業 内装仕上工事業 大工工事業 屋根工事業 ガラス工事業 防水工事業 熱絶縁工事業 |
大工工事業 | 建具工事業 とび・土工工事 |
左官工事業 | タイル・れんが・ブロック工事業 防水工事業 |
とび・土工工事 | 土木工事業 塗装工事業 |
石工事業 | 土木工事業 とび・土工工事 |
屋根工事業 | 防水工事業 板金工事業 |
電気工事業 | 電気通信工事業 鉄鋼造物工事業 管工事業 |
管工事業 | 土木工事業 消防施設工事業 |
タイル・れんが・ブロック工事業 | とび・土工工事 |
鉄鋼造物工事業 | 建築工事業 |
塗装工事業 | 土木工事業 とび・土工工事 |
ガラス工事業 | 建具工事業 |
塗装工事業 | 防水工事業 とび・土工工事業 |
内装仕上工事業 | 建具工事業 建築工事業 |
機械器具設置工事業 | 管工事業 |
熱絶縁工事業 | 管工事業 |
造園工事業 | 土木工事業 とび・土工工事業 塗装工事業 |
さく井工事業 | とび・土工工事業 管工事業業 |
水道施設工事業 | 管工事業 土木工事業 |
消防施設工事業 | 管工事業 電気工事業 |
清掃施設工事業 | 管工事業 水道施設工事業 |