経営業務の管理責任者に準ずる地位【3分で分かる】

経営業務の管理責任者に準ずる地位の者が経営業務の管理責任者になるための要件を分かりやすく説明

経営業務の管理責任者になるためには個人事業主の経験や法人の役員経験が必要でした。

しかしこのような経験がない人は一切経営業務の管理責任者になれないのでしょうか?実は他にも方法があります。

経営業務の管理責任者に準ずる地位の者がある一定の要件を満たせば経営業務の管理責任者になることができます。

本ページでは経営業務の管理責任者に準ずる地位の者とはどのような人のことを指すのか、又どのような要件を満たせばよいのか分かりやすく説明しています。

目次

経営業務の管理責任者に準ずる地位とは

経営業務の管理責任者に準ずる地位の者は、条件を満たせば経営業務の管理責任者になることができます。 この経営業務の管理責任者に準ずる地位とはどのようなものでしょうか?

法人の場合

法人の場合は役員に次ぐ職制上の地位で許可を受けようとする業種に関して経営業務を総合的に管理した経験がある者です。

役員に次ぐ職制上の地位とは、執行役員等として業務権限を委譲されている者や建設業に関連する業務を行っている部署の部長などのことを指します。建設業に直接関係のない経理部長などは基本的に該当しません。

  • 執行役員等
  • 建設業に関係する部署の部長など

個人の場合

個人事業主の場合は、その事業主に次ぐ地位のこと指します。具体的には本人の配偶者や子供などが該当します。

  • 個人事業主の配偶者
  • 個人事業主の子供

経営業務の管理責任者に準ずる地位の者が経営業務の管理責任者になるための要件

許可を受けようとする業種について次のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な権限移譲を受け、その権限にもとづき執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
  • 7年以上経営業務を補佐した経験

経営業務を補佐した経験とは許可を受けようとする業種で必要とされる資金の調達、技術者の配置、下請業者との契約の締結当の経営業務に従事した経験のことを指します。

この個人事業主の規定は、事業主の死亡などによって実質的に廃業してしまうのを救済する場合に限って適用されるものになります。上記の要件を満たせば経営業務の管理責任者になることができますが、なることのできる業種は経営を管理・補佐した経験業種のみです。

事業主補佐経験により個人で新規申請を行う場合

経営業務のを補佐した経験が成人してから7年以上必要になります。また個人事業主1名につき1名のみ補佐経験が認められます。

事業継承する場合は次の要件をすべて満たす必要があります。事業継承とは、建設業許可番号を同一の番号として経営事項審査で営業年数、完成工事高実績などを通年で認めることをいいます。(許可の取得は新規扱いになります)

  • 死亡,病気引退,高齢引退,その他の理由で(自己都合であるか否かを問わない)現に許可を 受けている事業主(被承継者)が廃業し,事業主の親族(承継者)が営業を引き継ぐこと
  • 承継者が個人で営業し,許可申請業種が被承継者の受けていた許可業種の範囲内であること
  • 承継者が成人に達して以降,事業主に準ずる地位に7年以上あったこと
  • 承継理由が発生した日から,1年以内の申請であること 
  • 申請時に,被承継者の変更届が漏れなく提出されていること
  • 経営業務の管理責任者証明書の証明者が被承継者又はその配偶者であること

執行役員の経験を証明するために必要なこと

  • 取締役会設置会社であること
  • 取締役会または代表取締役から執行役員等として具体的な権限委譲がされていて、取締役会で選任されていることが議事録で確認できること
  • 執行役員規定などがあること

名称が執行役員でなくとも、執行役員同様に、権限が委譲されていることを確認できれば同様に扱われます。

まとめ

許可を受けようとしてする業種について経営業務の管理責任者に準ずる地位の者が次のいずれかの場合を満たせば経営業務の管理責任者になることができる。

  • 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な権限移譲を受け、その権限にもとづき執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
  • 7年以上経営業務を補佐した経験